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サラ・ゲイ フォーデン

ザ・ハウス・オブ・グッチ

ザ・ハウス・オブ・グッチ 人気ランキング : 59374位
定価 : ¥ 2,625
販売元 :講談社
発売日 : 2004-09
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美味しいネタがまるごと満載された一冊

まるで華麗なる一族のイタリアバージョンの様。一族においては最後の経営者であるマウリツィオがマフィアのような手口で銃殺される場面など、フィクション小説顔負けの内容には圧巻!経営書としてもブランドビジネス書としても大いに参考になる一冊だと思います。トムフォードによる新生グッチの誕生の経緯まで興味深い内容で盛り込まれているのでグッチファンにはもちろん、グッチって何なのかよく分からないけど格好いいから一応バッグだけは持ってるような若年層の人たちにもぜひおすすめです。

戦国小説のようなスケールとスピード感

グッチ内部での権力争いやライバルブランドとの戦いなどをドラマティックに描いた傑作。

マウリッツォの死から始まる本書は大きく分けて三つのパートに分けられる

・グッチ創世記(グッチオ?アルド)
 グッチが生まれてからアメリカにビジネスを拡大するまで。
 アルドという商売の天才によって拡大していくグッチのビジネスと
 後継者争い。

・グッチ低迷期(マウリッツォ)
 アルドを継いだ甥のマウリッツォの公私を交えたエピソードと、グッチの本格的な没落。
 家族の醜い争いや投資銀行との駆け引きなど本書中もっともドロドロした部分。
 暴走したマウリッツォは側近の男の裏切りによりその地位を追われる。

・グッチ復活(デ・ソーレ)
 投資銀行と組んでマウリッツォを追放したデ・ソーレが衰退しきったグッチを復活させる。
 この章でトム・フォードも登場。デ・ソーレ?トムの名コンビの活躍と、最大のライバルで あるアルノー率いるLVMHとの買収合戦。

特に二番目と三番目は金融や経営を勉強している人間にとっても読み応えある内容。
パートナーと組み、巧みに発行株式を操作し、訴訟に継ぐ訴訟・・・
ノンフィクションなので、この後LVMHとの関係は、そしてデ・ソーレとトムフォードはどうなったのかは周知の通りだが、それでも読み手を壮絶なブランドとM&Aの世界に引きずり込む。

またLVMHの本も何冊か出ているので、反対側からの視点で参考にしてみても面白い(アルノーとデ・ソーレ、どちらもお互いのことをボロクソ言っている)

手元において時々読み返したい作品

まず、グッチ家の方々には申し訳ありませんが、ドラマとしての面白さが、下手な映画やテレビドラマよりも遙かにドラマチックでした。グッチ創始者グッチオ・グッチから始まる華麗な一族をめぐる物語は、日本の源平盛衰、室町末期戦国時代、幕末時のエピソードにあるような骨肉の争いの連続で、最初は親子、次に兄弟、叔父と甥、そして創始者の孫同士と続き、最後は肉親以外(市場とも言える)との争いを経て、夫婦の確執でこの作品は幕を閉じますが、次はどうなるのだろうと言う興味を最後まで失わせませんでした。
次に経営参考書としての一面ですが、例えば、個人創業で会社を興し、品質、センスの良い事業展開をしていたものが、組織が大きくなるにつれて、ビジネススケールは大きくなるものの、創業時の哲学を失い、輝き、魅力がなくなって、結局市場に淘汰されることがままあります。いわゆる企業統治が行き届かなくなり、企業イメージを失墜させ、最悪倒産に至るという過程ですが、この作品で展開するドラマの中にも、企業の肥大化とともにブランドイメージが失墜するくだりや、その他、財務管理、資本管理、経営計画、経営管理、企業の変質、市場の変化などがよく理解できる出来事が多く書かれており、わかりにくい経営専門書よりも参考になる本です。起業家が読む本としてもお勧めの一冊です。
この作品が映像になったものを少し見てみたい気がしますが、まだ、記憶が生々しいので無理ですよね。

ドラマとしても経営書としても読み応えあり

日経新聞の書評で「資本と経営の分離うんたら」とあるのを見て、買ったのですが、読み始めたら止まらなくて、けっきょく徹夜して一晩で読みきってしまいました。
まず、ドラマとしては、人間くさい家族騒動やグッチのビジネスの拡大によって、ものすごく躍動的なリズムのオペラやバレエを見ているようでした。最後のほうなんかトム・フォードの活躍やLVMHとの抗争を含め、今日のファッションブランドのそうそうたる面子がたくさん出てきて、豪華な舞踏会での幕締めという印象でしょうか。単にお家騒動というだけでなく、グッチを核としていろいろなエピソードが集められ(クロード・ルルーシュ『愛と哀しみのボレロ』のよう)、まったく飽きさせません。
そして、とりもなおさず、経済学・経営学的に見てもおもしろいネタが詰まっているとおもいます。特に、株主構成や資本構造が、ビジネスの地域展開やクリエイティブ系の組織構成に与える影響が、クリアに描かれています。ああいうお家騒動がなかったら、そしてグッチ家からの資本の分離がなかったら、結果的にトム・フォードのグッチはなかったろうと。
ただ、グッチ家周辺の人々の写真は若干載っているものの、カバンだのショップだのといったクリエイティブな側面をあらわす写真がないのは残念ですね。もっともなくても、記述が丁寧なので読むのには困らない程度です。

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